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自殺県議を追い詰めたこの国の「空気」

人の死、とりわけ、事故や殺人や自殺などの「真っ当でない死」の報に接したときは、どんなものであれ、胸の奥がきりりと痛むような心持がする。

とくに、「自殺」は、そこに至る本人の深い絶望の道程を想像して、自分までもが絶望の淵に立ってしまったような気持ちに襲われる。

昨日、自ら命を絶った(に、違いない)このひとは、自分と同い年である。それだけに、今までの積み重ねてきた人生を、本日ただ今終わらせるという切所に、どんな想いがその胸に去来したかを想像すると、いたたまれない想いに包まれてしまう。

ブログ“炎上”の岩手県議、自殺か 「ここは刑務所か」と病院対応を批判

インターネットのブログで病院を「ここは刑務所か」と書き込み、相次ぐ批判で“炎上”状態となった岩手県議会の小泉光男県議(56)が岩手県内で死亡しているのが25日、見つかった。岩手県警は自殺の可能性があるとみて調べている。

 小泉県議は、自身が受診した岩手県立中央病院で「241番の方」と番号で呼び出されたことに腹を立て、5日のブログに「ここは刑務所か!」と記述。また、「会計をすっぽかして帰った」とも記し、「県議にふさわしくない」「考えがおかしい」などとネット上で批判が広がった。

 小泉県議は9日にブログを閉鎖。17日、記者会見し「公人としての立場を忘れ、著しく思慮に欠けていた」と謝罪。「治療費は払った。病院の慣行や歴史を考えず、不適切だった」と陳謝した。


たしかに、思慮を欠いた行動だったかもしれない。

「県議である自分を特別扱いしろ」という本心が仄見えて、その「上から目線」ぶりに嫌悪を抱いた県民の気持ちもよくわかる。

しかし、その言動には裏がなく、それによって、たとえば誰かを陥れようとか、私腹を肥やそうとか、そういう意図はまったく感じられない。

自分の憤懣をぶつけたいという、ただ、ただ、ひたすらに、「愚か」なだけの行為である。

それに対して、批判が集中し、ブログは炎上し、マスコミもバッシングの列に加わった。

ここで、考えてほしいのは、このひとは、とくに刑法上の何の罪を犯したわけでもないということだ。

ただ、自分のブログに個人的な憤懣を綴っただけなのである。

それなのに、恰も世紀の大罪人のように、「記者会見」というお白州に引き出され、本人にとっては、「吊るし上げ」のような状態に置かれてしまった。

是非はともかくとして、これは相当に辛い経験だったに違いない。

言動から察するに、このひとはかなり、プライドの高いひとだったようだから、なおさらであったろう。

死へのカウントダウンは、或いはこのときから始まったのかもしれない。


いつから、こんな社会になったのだろうか。

完全無謬な人間などは、いない。誰にも欠点はあり、意識下にはさまざまな問題を抱えている。

「貪・瞋・癡(むさぼり・いかり・おろか)」の「三毒」が「凡夫」の常であり、それから脱するには、厳しい修行が必要である。

もっともなコメントで「炎上」させる側にもその「三毒」はあろう。

愚かな人間の愚かな言動は、放って無視すればいいのだが、それが出来ず、「何か言わないと気がすまない」または「何か言っておかないと不安だ」という面々が、徒党を組んで愚者を攻撃する。


誤解を恐れずに言えば、自分は、こういうアホな「公人」がひとりくらいいてもかまわないのではないかと思っている。

ふさわしくないと思えば、落選運動でもなんでもして、次の選挙で落とせばいいだけの話だ。

「公人」としてどうあるべきかなんて、社会ぜんたいの「空気」みたいなものが「ふわっと」決めているだけだろう。

おしなべて、朝日新聞が好む「聖人君子」をもとめられるようになったわが国の「公人」は、さぞかし息苦しいことだと思われる。

国力の衰微は、こういうところから始まっているのかもしれない。


さらに論をすすめて、橋下徹に言及したかったが、時間がなくなった。

続きは明日以降ということで。

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ブログやミクシィで、ある人物への非難が燃え上がり、収拾不能になることがある。こうした現象を「炎上」と言う。時に何千もの批判が押し寄せ、個人のプライバシーすら容赦なく暴かれる。有名無名を問わず「炎上」の餌食となるケースが頻発する今、そのメカニズムを明らかにし、そうした集団行動(サイバーカスケード)にはポジティブな側面もあることを指摘する。ウェブという「怪物」の可能性を見据えた、現代の「教養」書。



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未分類 | コメント(-) | 20130626100700 | 編集
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