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「子供の安全」に鈍感な社会


僕には、3人の孫がいます。
最初の孫が生まれたとき、まだ47歳でした。
そーです、僕は40台で「じーちゃん」になることを強いられたのです(涙)

最初は、絶対に「じーじ」なんて呼ばせないぞと力んでいましたが、最初の孫が言葉を覚え始め、はじめて「じーじ」と口にしたとき、いっぺんにその力みは消え失せ、2人目、3人目と生まれるにつれて、「じーじ」と孫達から呼ばれる度に、「はい、は~い」などとだらしのない顔で答えてしまうのです。

この孫達がいなかったら、僕は真剣にこのニッポン国の将来を憂うことはなかったかもしれません。
好きな本を読み、好きな音楽を聴き、好きな映画を観て、たまに温泉旅行に出かける・・そんな自分の好きなことだけをして、暮らしていたかもしれません。

とんでもない量の放射線に晒されているかもしれない福島の子供達は、僕の愛する孫達と同じ世代です。
僕ら世代は、この孫世代に過重な負担を強いているのかもしれない・・なんだか、そう思わざるを得ない、今日この頃です。

さきほど、日テレ系のNNNドキュメント「畳の上の警告 続発する柔道事故と中学必修化」を観て、俄かに不安になってきました。

この番組で知ったことは・・

1.学校内の、柔道の事故で、この27年間に、275人の子供が重い障害を負い、110人が死亡しているということ。
2.にもかかわらず、文部科学省は、2012年から、中学校に於いて、剣道、相撲、柔道のどれかひとつを必修化しようとしていること。
3.そして、中学校の七割が「柔道」を採用しようとしていること。

・・などでした。

ということは、可愛い孫達も、そのキケンに晒される可能性が、じゅうぶんにあるということに思い至ったわけです。

番組では、顧問や先輩の厳しい練習で、「片襟体落とし」などの危険な技をかけられて、重い障害を負ったり、死亡した子供達の例が紹介されていました。

なかでも、中学校の柔道部活で、「声が出ていない」ということで、試合形式の練習を26本もやらされ、顧問に投げられた直後に意識不明に陥り、一ヵ月後に死亡した12歳の子供の例は胸が痛み、こういう「シゴキ」という、ニッポン社会の深部に澱のようにはびこる「悪文化」に、憤りを禁じ得ませんでした。

「練習内容が大学生に匹敵するぐらい過酷なものだった。初心者で受身のままならない子供を、最後の最後まで、フラフラな状態なのに投げた顧問というのは、そこにどんな感情があったのか訊きたいし・・その顧問に(息子は)殺されたと思っています」(亡くなった子供の母親の言葉)

急な技をかけられ、頭部を激しく揺さぶられることによって、頭蓋骨の硬膜と脳をつなぐ静脈が破壊され、その出血によって障害が残ったり、死亡したりする。
この「硬膜下血腫」のことを知っている柔道指導者が、日本には皆無に等しく、これは僕も驚いたのですが、指導者に対する「安全講習」などは、今まで一切、行われてこなかったということです。

毎年、少なくない数の犠牲者が発生しながら、「シゴキ」は漫然と横行し、ついには110人もの犠牲者を出してしまった。
そして、安全に関する配慮もないままに、中学校で武道は必修化されようとしている。

どうして、必修化しなければならないのか。
スポーツでも格闘技は、強大な膂力、すばやさなどで、相手の肉体に打撃を与え、消耗させ、その自由を奪い制圧することによって勝負を決するものです。
そういう点で、他のスポーツとは決定的に異なる。

だから、そういうことが耐え難い人間も、多々、存在するのではないかと、僕は思うんです。
痛みに弱いひと、腕力が弱いひと、争うことが好きでないひと。
ひとはさまざまです。
そういうひとまでも、無理やりに危険で荒っぽい格闘技をやらせることに、なんの意義があるのでしょうか?
好きなひと、体質が合うひとだけがやればいいと考えるのは、間違っているでしょうか?

ニッポン国の3倍も柔道人口があるというフランスでは、しかし、というか、だからこそ、柔道の指導者には「国家資格」があり、医療などにかんして知悉させているそうです。
いったいに、このニッポン国は、「子供達の安全」ということに対する意識が低いような気がします。
何よりも安全を第一に考えなければならないのに、安全以外の価値観を第一に持ってこようとする。
命を軽視しているんです。

その体質が如実にあらわれたのが、「福島の子供たちがとんでもない量の放射線に晒されているかもしれない」ということへの政府の鈍感さだったのかもしれません。

子供達、孫達の命を守る・・。
老い先短い(笑)僕ら世代にとって、そのことこそが第一の使命なのではないでしょうか。

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2003年、福島県内の中学校柔道部で練習中に、13歳(当時)の少女が意識不明の重体に陥った。看病に全力を尽くす両親の元に「柔道部員の少年が、少女に暴力を振るった」との情報が寄せられる。真相を知ろうとする両親に対し、学校側は暴行の事実を全面否定する。八方塞がりの中、両親は民事訴訟を起こすと、テレビ局の「ワイドショー」が取材に訪れ、報道を開始した。次第に明らかになる学校側の「隠蔽行為」。当初、視聴率は伸び悩むが、そのプレッシャーに耐え、番組は計13回の放送を行った。また、ネット掲示板「2ちゃんねる」では、少女と両親への支援運動が呼びかけられる。真相解明への希望が生まれては、行政が踏みにじるという絶望的な闘いの中、遂に民事訴訟の判決の日が近づいてきた-。被害者母親の手記と、真実を追い続けたテレビ局の迫真のノンフィクション。

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