「ニッポンは財政危機である」という「教義」が、「自明の理」として、この国に鎮座ましましている。
国民の生活を少しでも良くしようとする議論は、ことごとく、水戸黄門の印籠のごとき力を発揮するこの「教義」によって、封殺され続けてきた。
朝日をはじめとする大新聞・マスコミは、その「教義」に従い、事あるごとに、「財源」論を唱え、国民の生活を第一とする政治勢力に悪罵を放ってきた。
なぜこれが「教義」であるのか?
宗教というものは、完璧な虚構を基本として体系づけられたものがほとんどだ。
キリスト教を例にとれば、「はじめに神ありき」という、因果関係もなにも全く無視した、「とにかくそうだからそうなのだ」という壮大な虚構が基本となって、精緻に「教義」が体系づけられている。
「ニッポンは財政危機である」という「教義」もそうだ。
一時期、テレビ各局のニュースショーは、ものすごい勢いで変化し続ける、何桁もの数字の電光板を掲げ、「これが現在も増え続けるニッポンの借金です」と紹介した。この映像を見せ付けられた視聴者は、少なからぬショックを受け、「ニッポンは借金大国なのだ」という「事実」?を思い知らされる。
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そして、「消費税」に対する態度が、「一部国民」の中で劇的に変化する。「自分は賢明なニッポン国民である」と信じて疑わない、そのややインテリで富裕な層は、「国の借金をこれ以上増やさないために、消費税増税も止むを得ない」と言い始めるのだ。ここにきて、教義の伝道者であるマスコミは、布教の一定の成果を見るのである。
この「教義」が「教義」である所以(ゆえん)は、「子羊のような信者であるニッポン国民のみに向けられた」という一事に尽きる。この宗教の教祖たる財務省は、外国向けには、正反対のことを言っているのだ。いわば、「この壺を買わなければ、あなたは地獄に堕ちることになる」と脅しながら、腹で「そんなはずはないだろう」と舌を出しているような行為に等しいと言える。
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「財政危機煽る財務省の大ウソが暴露された
「国民新」亀井亜紀子参院議員がTVで"告発"
きのう(20日)のNHKの日曜討論を見た国民は耳を疑ったのではないか。国民新党の亀井亜紀子参院議員(45)が、財政危機を煽る財務官僚の大ウソを暴露したのだ。
国民新党はデフレ経済脱却のために建設国債や無利子非課税国債の発行など積極的な財政出動を提唱している。亀井議員が明かしたのは、この無利子非課税国債をめぐる財務省側とのやりとりだ。番組での発言の中身はざっとこんな感じだった。
〈財務省と(無利子非課税国債発行について)やりあったら、財務省は「そんなものを出したら日本の財政は大変だと海外に思われる。いま国債は安定的に償還されてるので必要ない」と言われた。「え? 日本は財政危機じゃないんですか」と聞いたら「大丈夫です」と。 (財務省は)国民に言ってることと与党に言ってることが違うんです〉
ビックリではないか。亀井議員の発言通りなら、財務省や菅首相が騒いでいる「財政危機だから消費税増税だ」という理屈はやはりデタラメだったということだ。
「国民新党の考え方は、内需拡大のために市場にカネが回る仕組みが必要というもので、別に無利子非課税国債の発行にこだわっているのではありません。この方法がダメなら、財務省も代案を出してほしいと何度もやりとりしているのですが、財務省側はいつもノラリクラリごまかしてきたのです」(事情通)
改めて亀井議員に発言の真意を聞いてみた。
「財務省は最初から消費税ありきなのです。無利子非課税国債を発行して困る人はいません にもかかわらず、提案しても話が進まない。それで党に財務官僚を呼び、日本の財政状況について平時なのか非常時なのか聞いたら『平時です』と答えたのです。そもそも財務省は 海外に対しては『日本は対外金融資産が豊富で 国債の9割以上は国内で保有しているから財政危機ではない』と説明しているのに、国民に対しては『900兆円もの借金で大変だ』と言う。海外と国民に対する説明が違うのです」
相手によって主張を百八十度変える二枚舌財務官僚、次はぜひ国会で追及してほしい。
(2011/2/11 日刊ゲンダイ)