ブックマーク
プロフィール


秦映児です

秦映児の私的ブログ 
平らかなるまどろみ

秦映児の他ブログ
検索フォーム
流出海上保安官を英雄扱いするのはちょっと違うんじゃないか?

今日は、あまり時間がありません。
が、すごく危機感を感じさせられた記事がありましたので、それについて少しだけ触れさせていただきます。

激励の声続々!流出海上保安官の素顔…出馬情報も

「誰にも相談せず1人でやった」。中国漁船衝突の映像流出事件で、流出を告白し、警視庁の取り調べを受けている神戸海上保安部所属の海上保安官(43)には各方面から擁護や英雄視する声が上がり、一躍“時の人”となった感すらある。一体どんな人物なのか-。

海保関係者によると、保安官は関西の大学を卒業後、海上保安学校に入り、中途採用の形で海保職員になった。
2003年度から小松島海上保安部の予備員、2004年度からは姫路海上保安部で巡視艇の航海士として勤務。韓国語ができ、国際捜査などにも携わり、今年、神戸海上保安部の巡視艇「うらなみ」の主任航海士となった。いわゆる“現場畑”を歩んできた、たたき上げの人物だ。

「まじめで気さく」「仕事は優秀だった」。保安官を知る同僚や上司は異口同音にこう話す。
「非常に優秀な部下だった。自分の任務に誇りを持ち、どんな状況でも決して弱音を吐かなかった」
かつて上司だった元海上保安庁特殊警備隊長の坂本新一さん(46)はこう語っている。
保安官は2000年までの約3年間、第5管区海上保安本部で坂本さんの部下として勤務。密輸や密漁など海上犯罪の取り締まりや人命救助などにあたったという。
「とても正義感が強い人だったから、映像の非公開を決めた政府の対応が許せなかったんでしょう」。
坂本さんは映像を流出させた行動をこう推し量る。

保安官が聴取されたとの報道を受けて、5管本部のある神戸市中央区の合同庁舎には電話やメールが殺到。10日午後10時半までに500件以上が寄せられた。抗議は少なく、ほとんどは「逮捕しないで」などと擁護する内容。海保関係者を乗せた車が庁舎を離れる際も、「保安官は何も悪くないぞ」と激励の声が飛んでいた。
こうした“人気”ぶりに、早くも「次期選挙をにらんで野党が触手を伸ばしている」といったうわさも駆け巡っている。
永田町有力筋の1人はは「一連の報道で、正義感が強く、男気のある人物というイメージが広まった。(元航空自衛官の)田母神俊雄氏に続く“保守の要”として、出馬も十分考えられる」と話している。

[ 2010年11月11日17時00分 ]


このひとを「英雄」として称揚する動きは、「自首」前の段階でも、すでに佐々敦行などが「義憤による行動」に賛意を表するという形で、姿を見せていました。
2ちゃんねるでは不起訴を求める嘆願書のテンプレートが出回っているらしいです。
佐々敦行などの国家主義者や、2ちゃんねるに棲息する右巻きの方々が、率先して起こそうとするムーブメントには、今までろくなものがありませんでしたから、賢明なニッポン国住民には、絶対にのせられてほしくないという気持ちで一杯です。

人気ブログランキングへ
今日も一票、お願いします。

「国民の知る権利を守ってくれた」との言い方で、この海保職員を称える向きもありますが、海上保安官の従事するべき業務は、国民の知る権利を守ることではありません。
民間のジャーナリストが政府の隠したがっていることを暴露したというのなら、僕も喝采を送るかもしれません。
しかし、一介の国家公務員が、政府の意向に逆らうような行動をとったということを以って「英雄」扱いする風潮には、危険なものを感じずにはおれません。

たとえば政府が倫理に反するような悪事を隠していたのなら、内部から告発するのは認められて然るべきでしょう。
というより、率先して告発するのが、人のとるべき道でしょう。
しかし、尖閣衝突ビデオを非公開にするという現政権の方針は、そのことの是非はともかくとして、ひとつの政治判断です。悪事でもなんでもありません。
大阪高検元公安部長の三井環氏が告発しようとした検察の裏金問題のようなこととは、まったく位相を異にするものなのです。
映像公開が国益にとって問題があるとする政府の方針に反し、行政の一端を担う国家公務員が、自分の勝手な判断で、その映像を公にするような行為を許す前例を作ることは今後重大な禍根を残すことになる。どういう政権であれ、そう思うのが自然です。
政府のやり方に言いたいことがあるのなら、それなりの表明の仕方があっただろうと思うのです。
一海上保安官として匿名でいいから、僕のようにブログを書いて発信するも良し、twitterで呟くも良し。
それをしないで、いきなり、非公開とされている動画をネットで公開する・・。
尖閣ビデオだったから、まだ良かった。これが大きくニッポンの国益を損なうようなものだったら、どうなるのか。
遵法意識が希薄な国家公務員の存在は、いずれ法治国家の根幹を揺るがす「蟻の一穴」となります。
「危機管理」の専門家を自他ともに任じているはずの佐々敦行氏が、このような公務員の不法行為を称えるとはどういうことでしょうか。「危機管理」は自らの国家主義志向を正当化するためのお題目に過ぎないのではないでしょうか。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
今日も一票、お願いします。

そういう行為を「英雄的行為」としたがる風潮に、僕は大いなる危機感を感じるのです。
昭和10年8月、「皇道派」と「統制派」の間で路線対立が先鋭化していたニッポン陸軍内の抗争は、ついに、血なまぐさいテロ事件を惹起させました。
「相沢事件」が、それです。

相沢事件(あいざわじけん)は、1935年(昭和10年)8月12日に、皇道派青年将校に共感する相沢三郎陸軍中佐が陸軍省において、統制派の永田鉄山軍務局長を殺害した事件である。
(略)
8月12日午前9時30分頃陸軍省に到り、相沢が一番尊敬していた山岡重厚整備局長を訪ね、談話中に給仕を通して永田少将の在室を確かめた後、午前9時45分頃、軍務局長室に闖入して直ちに軍刀を抜き、永田を殺害した。
決行後整備局長室に戻って「永田に天誅を加えた」と告げた。山岡は予想外の表情をしたが、出血している左手をハンカチで縛り、たまたま来室していた大尉に医務室へ案内させた。途中、永田局長の一の子分といわれた新聞班長の根本博大佐が駆け寄ってきて、黙って固い握手を交わした。また、調査部長の山下奉文大佐が背後から「落ち着け落ち着け静かにせにゃいかんぞ」と声をかけた。
こうした陸軍省内の様子を見て「ありがたい、維新ができた」と内心感激した

「相沢事件」wikiより


こういう、非論理的で乱暴で後先も何も考えないような「暴挙」を「義挙」として捉えがちな風土が、精神面で相沢中佐の犯罪を支え、更なる愚挙である「二・二六事件」を促し、結果的に軍部ファシズムは一億国民を戦争の劫火に叩き込むことになるのです。
論理や理性を超越するような「熱情」が国を支配するとどうなるか、わがニッポン国は取り返しようのない多大な犠牲を払って、それを教訓化したはずです。
どうか、常に冷静でありましょうと、声を大にして言いたい晩秋の深夜です。

※誤解があるといけませんので・・。
 僕は、菅政権がビデオをいつまでも非公開としてきたこと自体は、拙劣なやり方だ
 ったと思っています。
 早く、公開すべきだったと思っております。

追記

ニッポン人は、暴挙を義挙と捉え、喝采を送りたがる民族ですね。
「忠臣蔵」がそうでしょう。
松の廊下刃傷事件なんて、どうして被害者の吉良上野介があんなに悪し様に言われなければならないのか。
映画などで、事変後、吉良とすれ違いざま、不浄の血で衣服を汚されたとして、脇坂淡路守が吉良を扇子で打ち据えるシーンがありますよね。
史実とは違うのでしょうが、「怪我人を打つなんてなんと理不尽な」とは思わずに、観るひとは脇坂に喝采を浴びせるのです。

そうそう、僕の知り合いに「吉良さん」がいるのですが、毎年、12月になると、必ず一回は「おのれ吉良上野介、主君の仇を討ちに参った。覚悟しろ」という電話がかかってくるそうです(笑)
そして、そう言うだけ言って、ガチャンと切れるとか。
どうも同一人によるいたずらのようだと彼は言っていましたが、とにかくそれをやられると、腹が立って眠れなくなるとこぼしていました。

日本中の吉良さんが同じような目に遭っているのかもしれません。
日本人って、ある特定の存在を「悪人」と決め付けて叩くのが好きな民族であるとも、思います。

関連記事 [未分類]
未分類 | コメント(4) | 20101112090143 | 編集
770|桜大和王|20101112073725

尖閣衝突ビデオの自主は自作自演の茶番ですね。衝突自体がたいした問題でないです。自主した人については、マスゴミの報道の仕方で思いますが、念入りに筋書き通りに演じているように見えます。あれだけ、流出に対して怒りまくっていたように伝えておいて、小沢さんを報道したような攻撃的な報道が見られない。マスゴミで情報操作して守っているようにも見える。
771|eiji008|20101112102438

> 尖閣衝突ビデオの自主は自作自演の茶番ですね。衝突自体がたいした問題でないです。自主した人については、マスゴミの報道の仕方で思いますが、念入りに筋書き通りに演じているように見えます。あれだけ、流出に対して怒りまくっていたように伝えておいて、小沢さんを報道したような攻撃的な報道が見られない。マスゴミで情報操作して守っているようにも見える。

そのとおりです。
裏権力は田母神のようなクサレ右翼文化人をひとりでも多く製造したいのだろうと思います。
改憲潮流がふたたび力を得てきているのかもしれません。
772|トッペイ|20101112202922

これは、形を変えた倒閣運動でしょう。一海上保安官だけの仕業だけではないと思います。
私も菅、仙谷内閣は大嫌いですが、このようなやり方が罷り通るのは決して好ましいことではありません。
アメリカとその手先は、菅、仙谷コンビが思ったより隷米姿勢を取らないのでつぶしたいのでしょう。小泉以後、安倍、福田、麻生,鳩山と集中砲火を浴びたのとそっくりです。小沢さんが、一旦表舞台より引いてから、仙谷がマスゴミの猛攻撃に遭っています。仙谷は思ったより売国奴ではないのではないでしょうか。
773|taira|20101112212859

全くもって秦さんの、おっしゃる通り!
相変わらずマスゴミの論点は呆けまくってるというか・・・
佐々だの青山だの唾棄したい輩です。
普段の自分達の主張を知性もどきで糊塗し、自分らの目的に合わないと180度方針を転換する。

具体的に言うと佐々など、あの高遠さんらイラク人質事件のとき自己責任を振りかざし彼らを糾弾していた側でした。    あのときの奴の論拠、要は国が行くなと言った所に行ったということです。
国の言ってることと自分の価値観に違いがあろうが。
それで言えば、今回は真逆のコメントがあってしかるべきでは?
私も今の仙石内閣、支持してないけど 国民であっても非公開とするのを含め外交戦術として今のカードを選んだのだから。    まして今度の人物は公務員という同じ組織の人間です。
公開云々の是非と、組織の方針を個人の価値観で勝手に破る(しかも組織の人間としての特権を利用して)
こんな事の是非は極めて簡単な事に思います。
なのに佐々などはいまだに浅間山荘などというカビの生えたような過去の自分の栄光を持ち出して「現場の隊員の心情を・・」などと情緒的に情報操作し、見ていてムカムカしてきました。
この男はある時は冷徹な組織論を振りかざし、別の局面では情緒的な話をして事の本質を誤魔化そうとしている。

ちなみに、どうでもいい小ネタですが  佐々は、あの助さんこと佐々介三郎の末裔らしいですね。
さらに遡れば あの戦国武将 佐々成政だそうで・・・。

今度の件で最も筋の取っていたのは宗男さんの日記でのコメントです。
>海上保安官の尖閣ビデオ流出問題が大きく取り上げられているが、冷静に見守る必要がある。
 一つの視点として大事な事は官僚の下剋上(げこくじょう)はあってはならない。特に武器を持つ組織の中からこうした事が起きるのは由々しきことである。
 海上保安庁・警察は組織として武器をもっている。これが自衛隊に波及したらと考えると恐ろしい事である。国家と社会の為にと反権力ならわかるが、反国家であってはならない。組織の反乱を十分考えるのも政治の責任である。
>しかし勘違いしてはいけないのは自分の立場をわきまえない行為は、特に組織の一員として武器を持つ者の取るべき行動は厳重にチェックされなくてはいけない。合せて官房長官・外相の間違った判断をここは国民がしっかり指摘し責任を取らせる事である。相方が責任を取る事が私は公平であると考える。

それに、これと似た光景は最近もありました。
あの生方という小人です。  自ら同じ組織の直属の上司の小沢さん(当時、幹事長)の批判を展開
内部で部下が上司に諫言するというなら、まだしも外部へ話を展開
この時も、この小人を英雄視する動きがありましたが、その時 まともだと思われた批判がこれ
「自分の正義感での批判もけっこうだが、それなら まず自らのポジションを辞してするのが筋」

今度の海保の人間にも、ぴったり当てはまります。  こんなのの何処が英雄でしょう?
自らは安全な位置に隠れ、こそっとリーク  組織内で犯罪行為が行われているのならまだしも。
こんなのが、なあなあになれば組織は崩壊します。
自分も、どちらかといえば反権力志向の人間だし、上層部が独裁的、非人道的に感じると 心中穏やかざるものがあり、時には暴発するときもあります。
そんな私でも、ある意味 それは覚悟のうえであり、こんなのが許されれば組織のタガは緩んでしまうと思いますね!
この人物に覚悟があったかどうかは知りませんが、身内の人間が こそっと動画を投稿するという反国家行動
その後、何事もなかったように暮らそうとする性根
それを英雄視する似非文化人     こんなのが、まかり通れば無茶苦茶です。

これで思い起こすのが子供の頃、起きた毎日の西山記者事件
要は、あの時 自民が沖縄返還を金で買ったみたいなことが隠されていたという事です。
自分は子供の頃より一貫して反自民なので、西山記者擁護 あの時の自民はけしからん、、、みたいな意見を真相が明らかになった今でも思っていました。
そうすると今度の件との自分の意見の整合性を考えるんですね。
二つの案件は微妙に違うので完全な比較は難しいです。

つまり、あの時の自民は明らかに嘘をついていた   今回の件は公開する、しないの話で国民を騙した話ではない(ただ先の検察が船長の釈放を決めた云々の嘘疑惑は別ですが、それは又、別の事 )

それに あれは外部の記者が積極的に働きかけて女性公務員から情報を取った、今回のは公務員のほうから守秘義務を破っている。(でも破った事実に変わりなく、後に この女性公務員は処罰されました)

国民に隠された密約を騙しのような犯罪的な、ものとするか 国益優先の高等戦術として捉え容認するかでしょう。
だから、ここらへんは 同じ小沢擁護の側に立ってた上杉さんなどは、情報公開のほうにプライオリティーを置き、別の目的で海保職員を擁護してるサンケイと、同じ立場です。

サンケイ以外の記者クラブメディアの一部が、今回の犯人探しなどのバッシングに加担していたのは、要は自分らの縄張り荒らしをされたかららしいですね。
その象徴が古館の「悔しい!」発言  まあ、、正直というか何と言うか・・・
何とも呉越同舟というか、今回の件  珍現象が起きてるなという感じです。
誠に今回の件、大手メディアがネットに出し抜かれたという面で見れば日頃の小沢偏向報道の怒りの溜飲が下げられるし、 重層的というか一筋縄ではいかない案件でした。
     © 2017 世に噛む日日  Designed by 意地天