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権力が変革期にどのような相貌をあらわすのか+「尖閣衝突ヤラセ論」続き

昨日の夕方から松本清張の「遠い接近」という小説を読み始め、夜半に読了。
久しぶりにこのひとの小説を読んだが、文章のうまさ、プロットや構成の巧みさに、改めて舌を巻く思いがした。

推理小説には「倒叙」というジャンルがある。
物語の冒頭の時点で、いきなり犯人が登場し、殺人行為や、証拠隠滅などの工作を行う描写があり、そのあと、その犯罪がどう暴かれ、決着するか、そこに読者の興味が移っていく。
そう、「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」で使われる、あの手法だ。

「遠い接近」はその手法なのだが、松本清張の真骨頂は、その犯罪に手を染めるに至る「殺人の動機」に膨大な紙数を費やすところにあるだろう。
その動機の部分だけでも、旧軍隊の内務班を描いた大岡昇平や野間宏、大西巨人などの作品と比較して遜色のない、高水準の「兵隊文学」になっている。
推理小説では「え~?たったこんなことで人を殺せるものなの?」と、頭をひねりたくなるような「動機」が事も無げに提出されていることがままあるが、松本作品の提出する「動機」には「なるほど、こういう目にあえば、人は人を殺すかもしれない」と思わざるを得ない、圧倒的な説得力があると思う。

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「小説は面白くなければ存在価値がない」というのが持論だっただけに、このひとの作品は、読み始めたら止まらない、ということが多い。
「点と線」や「眼の壁」、「ゼロの焦点」など、最初に読んだときは、いずれも徹夜をしてしまった思い出がある。

下関に生まれ、小倉(北九州市)で育ったという点で、まったく僕と同じ松本清張の作品は、その親近感だけでなく、「読んでみてあまりハズレがない」という経験からくる期待を胸に、その膨大な作品群の多くを読んできて、あまり裏切られたことがない。
しかし、まだそのすべてを読みきれているわけではない。
作品の時代背景として、昭和30年、40年代と、いささか古びてきた感があるが、21世紀という現代の時点で眺めると、それはそれでまた別の興趣が湧いてくる。

しかし、このひとの作品、推理小説には珍しく、再読ができるんだよなあ。
稀有の作家と言わざるを得ない・・・。

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また「日本の黒い霧」などのノンフィクションも秀逸だ。
戦後日本が、米国情報部の謀略の舞台と化し、「米国支配」が「伝統」となって、今もその流れを引き継いでいるということが、よくわかる。
僕が特に興味深く読んだのが、「昭和史発掘」のなかにある「スパイ”M”の謀略」だ。
戦前の日本共産党を内部から霍乱したMの軌跡は、人間の集団というものが、権力による謀略の類に、いかにやすやすとハメられやすいものかということを、まざまざと教えてくれる。
権力が、変革期にどのような相貌をあらわすのか、清張作品を参考にして、これから見据えていきたいものだ。



追伸

昨日、カフェ「Her Majesty」のマスターの、やや粗雑な「尖閣衝突ヤラセ論」を披露したわけだが、あながち、彼の説も、当たらずも遠からずなのではないかと思わせる書き込みを、阿修羅掲示板で見つけたので、ここに紹介する。

尖閣沖衝突事件で現場検証に中国漁船の船長は立ち会っていない?!!

以下のような記事があります。もとは、テレビニュースであったようです。
現場検証に中国人船長が立ち会っていないのは、明らかにおかしなことです。普通、現場検証には被疑者を立ち合わせます。しかし、今回の事件で逮捕されたのは船長のみであり、船員は逮捕されていません。それどころか、この現場検証の翌日には船員は帰国し漁船本体も返還されているのです。11月5日に流失したビデオはこのときに撮られたものである可能性があります。一部に尖閣諸島の映った映像があったようですが、それと衝突映像は別です。

http://j.mp/bomMGeよりコピー:

接触した中国漁船で現場検証 石垣海上保安部
2010-09-13 07:44:18 | 暴戻支那の膺懲尖閣諸島沖の日本の領海内で中国漁船と海上保安庁の巡視船が接触した事件で、石垣海上保安部は12日、接触した漁船を使って現場検証を行いました。現場検証は、逮捕した船長(41)を除く乗組員14人を漁船に乗せて、沖合で行われました。事件当時の漁船と巡視船「みずき」の位置関係や、漁船の運航状況を確認したとみられます。また、船員が互いにどのようなやりとりをしたのかについても、現場で事情を聴いたとみられます。


文章の主意はよくわからないが、11月5日の流出ビデオなるものは、現場検証の映像だったのではないかということを言っているように思える。
ともかく、政府の言うことは、鵜呑みにはしないほうがいいということだけは、はっきりしている。
引き続き、検証してみたいと思っている。

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未分類 | コメント(2) | 20101109094032 | 編集
763|-|20101109071616

このコメントは管理人のみ閲覧できます
765|taira|20101110021841

私も推理小説は歴史物と並んで好きです。
というか、この2ジャンルだけと偏っていますが、、、、

そして清張・・・・ 私も以前、裁判員制度の在り方の記事のとき自分なりの想いを述べさせてもらいました。
推理は海外のドイル、アガサ  日本の乱歩、横溝、東野 どれも味があり甲乙つけがたいです。

でも、20世紀の巨人  清張は、読み終わったあと 犯人への心情に締め付けられる哀感、重苦しさを感じ、その重さが又、快感なのですが・・・これは清張だけの持つ味ですね!
小説はもちろん、私が子供の頃 映画化、ドラマ化された作品  どれも未だに脳裏に焼きついています。

特に NHKの連続ドラマでやってた「ゼロの焦点」  最後、犯人の奈良岡朋子さんが小船で海へ漕いでいく(自殺)、、それを見送る夫   この場面は子供のときに見たのに今でも記憶にのこり、泣かされました。
ここら辺のやり取りを映画好きの方と以前、意見交換したものです。

http://otd4.jbbs.livedoor.jp/414507/bbs_reply?reply=8195
http://otd4.jbbs.livedoor.jp/414507/bbs_reply?reply=8197
http://otd4.jbbs.livedoor.jp/414507/bbs_reply?reply=8198

それに倍賞千恵子さんが演じられた霧の旗も良かったですね!
あれも弱者の、蜂の一刺しとも言うべき社会派作品でした。

そして後に知ったのが彼の作品の全てにあるのは若いころの苦労、社会への怒り、私怨とも言うべきような極めて私小説に近いエネルギーを注ぎ込んでいるから、読む人に真実味を与え胸を打つのではと・・・

ブログ主様には釈迦に説法でしょうが、彼のデビュー作 或る「小倉日記」伝  も名作です。
これは短編であり、推理小説でもありません。   
しかし、これほど胸の震えた、私の内部のある線に共鳴した小説はありませんでした。
障害者の一人息子と母の物語であり、そんな主人公が唯一真剣に生涯を注ぎ、母も応援したというのが
森鴎外の日記の復元作業、、、、そして必死の努力にもかかわらず、それは結局 無意味であったという落ちがつくのですが・・・
ある解説者が 何をやっても報われない当時の清張の心境を小説にしたものというのが、あり深く納得したのを思い出します。   それでも読後感の爽やかさ、母子愛など  結果を求めない生き方など多くのものを、この作品から感じるものがありました。

さてアメリカの属国化、 和田秀樹さんの日記にも アメリカの属国、中国の属国 について二者択一について述べられています。
結局、マスゴミは 中国の脅威、属国をはやし立てていますが(それ自体には文句はないです)、でも今までの
アメリカの属国化について検証してきただろうか?
年次改革要望書という名のもとの属国化、 やっとNHKでも、その実態を この前放送していましたが、
株式日記と経済展望さんのところで以前から指摘されていたことです。
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/5bc3916187092c62887948f598855c92
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/95c074226dfb894147d46987865598fa
北方領土にしたって実はアメリカに振り回されていたっと田中良紹産の直近のコラムにもありましたよね!

経済、技術の日本という金看板が剥げ、ただの小さな資源のない国に、なりつつある今、本当に黒船来航の頃の日本に、なりつつあり 大河を過去の大変な時期の物語と長閑に言ってられないようになってきました。
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