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アメリカの太鼓持ちをかって出る「天声人語」の「植民地根性」


朝日の「天声人語」なるコラムがもてはやされ、入試問題の題材とされるなど、それなりの「権威」を獲得していることは、衆目の一致するところだろう。
たしかに文章は巧みだし、その「構成の妙」は、見習わなければならないことが多く、僕も、「コラムの教科書」として、このブログ更新にも役立てたいと思う。
昨日5月8日の天声人語も、その文章、構成において、なかなかのものだと感心した。

 安心を与える大きな政府か、活力を生む小さなそれか。国家像を語るのに避けて通れぬ設問だが、有事に問われるのは大小より強弱、そしてリーダーシップらしい。そう教える出来事が続く▼国の破産を防ぐため、ギリシャのパパンドレウ首相は全人格をかけて国民に我慢を説く役回りだ。自国通貨が暴落して済んだ頃と違い、混乱はユーロを介して世界に飛び火する。火元責任は大きい▼ユーロ危機も追い風としたか、英国の総選挙で、一貫して欧州統合に冷ややかだった保守党が第1党に返り咲いた。ただ、2党間の交代は「前にダメだった党」に託すこと。有権者は過半数を与えなかった。43歳のキャメロン党首に首相への目算はあるか▼はるかに重苦しい決断を迫られそうなのは、韓国の李明博大統領だ。黄海で哨戒艦が沈んだ原因が、魚雷攻撃である疑いが出てきた。韓国の船を狙う国はいくつもない。46人の殉職は、熱い心と冷めた頭の両方を大統領に求めている▼イラクにアフガンと、米国は万年有事。中国との二極時代を意識しながらも、オバマ大統領は核軍縮の長い道のりに踏み出した。そこに、未曽有の海洋汚染とされるメキシコ湾の原油流出である。神は越えられる試練しか与えないはずだが……▼普天間は、米国にすれば数ある懸案の、小さめの一つだろう。自らの言動でそれを大ごとにしてしまったわが首相。どんな有事もリーダーの資質を試すが、「ひとり有事」とは情けない。地球大乱の気配がにわかに漂う中、この人物に国を任せる間の悪さを思う。


国家像、政府像として問われる大きな要素として、「大きな政府」を目指すか「小さな政府」を目指すかということが、第一の目的意識と設定されがちだが、この日の「天声人語」氏は、「有事に問われるリーダーシップの強弱」こそが大事なのではないかと説く。

そして、ギリシャ、英国、韓国のリーダーが直面する「重い政策課題」を簡潔に紹介し、アメリカのオバマ大統領の「核軍縮」という政策を暗に称えながら、メキシコ湾の原油流出を、かなりの感情移入で憂いてみせる。

それから、アメリカとわが国日本の「共通項」である「普天間基地移設問題」へと話を進め、オバマ大統領と比較する形で、いちばん言いたかった「わが国首相の無能、無策」を効果的にあぶり出し、慨嘆してみせることに成功している。

さすがに、文章を書いてメシを食っているだけあり、極めてクオリティの高い「文章術」の教科書を目の前にする思いがして、今さらながら、感心させられてしまった。

ただ、その「文章」と「構成」の素晴らしさに比べ、肝心の「内容」はどうだろうか。
気になるのは、結論部分における、「普天間」問題に対する、あまりの過小評価である。

「普天間は、米国にすれば数ある懸案の、小さめの一つだろう」というくだりの前後の文脈から考えて、「天声人語」氏は、「核廃絶という人類の悲願に比べて基地の移転問題などというものは、小事に過ぎない」と言っているように思える。
それは、「自らの言動でそれを大ごとにしてしまったわが首相」というくだりで、かなり、明らかになっている。
「首相が何も言わなければ、沖縄の人々への一方的な負担押し付けだけでコトが済み、日米同盟までを揺るがすようなものにまで発展しなかった」と言いたいのだ。
要するに「寝た子を起こした」と言いたいのだ。

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米側からすれば、本当にムカつくことではあるが、「小事」かもしれない。
しかし、沖縄人民をはじめとする、われわれ「日本国人」とって、これ以上アメリカとの隷属的関係を続けなければならないのか、どうか、これほどの「大事」はないだろう。
「ひとり有事」という表現で、この問題を首相一個の問題へと矮小化する「天声人語」氏は、いったい、どこの国の人間だろうか?
今までさんざん熱湯浴から「売国アサヒ」などといわれ続けたこの新聞に、僕も同じ言葉をぶつけたくなる。

いいか?
「アメリカ帝国の立場」から、わが国の宰相を批判し、「情けない」と断じているんだ。
社会面などで「沖縄のひとびとの思い」をいかにも重んじるような報道をしながら、大局ではアメリカの利害を代弁している。
なんという矛盾だろうか。
「情けない」のは、アサヒのその「植民地根性」のほうだろう。
この情けない新聞を「日本を代表する三大紙のひとつ」と呼ばなければならない間の悪さを思う。

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未分類 | コメント(4) | 20100509040105 | 編集
267|たく|20100510122002

同日の朝日新聞「天声人語」を読んで全く同様の感想を持った。「天声人語」の劣化はここ数年著しく感じられ、読むに値しないと思うことがしばしばだが、この文章もまたその例に漏れず、であった。朝日新聞購読約40年になるが、もう止めようと思いながら、他の新聞がもっと酷い状況であることと、この朝日の惨憺たる状況を見届けなけらばならないという思いで購読が続いている(まぁ新聞がないと寂しいというのもあるが)。民主党関連でネットで様々なコメントを読むが映児さんのコメントが自分の気持ちや考えとピッタリする。応援しています。
268|SABIO|20100511022106

今日の記事は素晴らしい。内容はもちろん、文章構成も秀逸で、心に沁みました。少なくとも、汚らしい意図ででっち上げた「天声人語」など遥かに凌駕しています。これからも頑張って下さい。
次いでですが、新聞は止めなきゃダメでしょう。文句を言いながら敵に餌をやり続けては、ただの野次馬か見物人ですよ。ちっぽけな我々にできることは、目の前の小事を確実にこなしていくことだけですから。蛇足ですが、、私も、先先月から止めています。
271|ローレライ|20100511071027

新聞の紙面は広告代理店に売ったあとなので読者なんか関係ない記事だらけです(TV番組と一緒)。
本来はフリーペーパー化しても良い所でしょう。
結局、新聞代は販売店の雇用の為のカンパですね。
275|あき|20100511194754

迷ってましたが、この天声人語をよんで新聞を解約する決心がつきました。なんなんだあの言い草。本当に酷い。東京に住んでる私が腹が立つんですから沖縄の人の怒りは計り知れないんじゃないですかね。
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